国際線航空券で出てくる用語「ストップオーバー」「トランジット」「オープンジョー」を理解して旅行を楽しもう!

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ようやくコロナで制限されていた海外旅行も復活してきました。これからたっぷりたまっているマイルを使って海外旅行を計画している人たちも多いと思います。私もそのうちの一人です。

ただ、長らく海外旅行から離れていたものですから、いざ国際線の特典航空券を発券しようとしても、ルールを忘れてしまっている人もいるかと思います。

トランジット、ストップオーバー、オープンジョー。あぁ懐かしい響きですね(笑)

さてすっかり忘れてしまっていた人、そして最近マイルを貯め始めて国際線特典航空券にこれからチャレンジする人は、これらの意味・ルールを知っていると、より国際線特典航空券の発券が楽しく、そして便利になっていきます。

そこで、今回は、これら航空券の用語を初心者向けに簡単に解説したいと思います。

特典航空券のルールは奥が深い

国際線特典航空券の場合、便数が多く、複雑な行程を組む必要のないハワイや中国などに行かれる場合は単純な往復で予約する場合が多いと思います。

ただ、ヨーロッパやアメリカ大陸、あるいはオーストラリア以外のオセアニアに行く場合は日本からの直行便がなく乗り継ぎが必要な場所も多いですし、また、東南アジア等のように直行便でいける場合でも、一つの都市にとどまらず、複数の場所を周遊する形で観光することもあると思います。

この場合、特典航空券には乗り換え等に対して一定の回数が認められるなどのルールがあり、これを活用していくことになります。

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特典航空券で複数の都市を周遊することも可能なんですよ!

また、ただ単純に1つの都市に行きたい場合に、単純な往復の場合でも直行便の特典航空券の枠が満席の場合、乗り継ぎで迂回することにより、特典航空券の空席がある場合もあります。

このようなルールを使いながら特典航空券を作り上げていくのは非常に楽しいものです。楽しすぎて、気が付いたら朝になった、なんて事例は私に限らず経験している人も多かったりします。

ここからは、過去の私の実際の発券(嫁に怒られて発券できなかった未遂案件を含む)を事例としながら、航空券のルールとその使い方を確認していきたいと思います。

注意
ただし、コロナ禍の影響でトランジットに制限がかかる場合や、需要が戻らない場合にマイナー路線は便変更、運休等のリスクが高まります。その際の旅程の作り直しはなかなか大変なので、そこは自己責任でお願いします。

今回紹介する3つの用語、具体的には「トランジット」、「ストップオーバー」、「オープンジョー」の3つのルールを知っていると、航空券の予約が格段に楽しくなります。以下、順に見ていきたいと思います。

トランジットとは

トランジットとは、24時間以内の乗り継ぎ目的滞在のことをさします。これは基本的に目的地に向かう際に直行便がない場合、ある空港で別の便、あるいは別の航空会社に乗り換えるものです。

直行便がない場合の乗り換えなのでルールは緩く、例えばANAマイルを使ったスターアライアンス特典航空券の場合、トランジットが往路・復路で2回ずつ認められています。世界は広いので、出発地から2回くらい乗り換えをしないとたどり着けないところも多いからです。(逆に言えば、2回乗り継げばかなりの場所に行けるということでもあります。)

また、直行便のあるルートでも特典航空券に空席がないが、ある場所で乗り継ぐことによって航空券を発券することができます。例えば東京からシンガポールの直行便が満席でも、香港や台北、バンコクなどを経由することにより、シンガポールにたどり着いたりすることが可能です。

私も東京からシンガポールに行くとき、シンガポールがF1開催ということもあり特典航空券に空きがなかったのですが、JALの特典航空券でキャセイパシフィックで東京から香港で乗り継ぎをし、シンガポールに行ったことがあります。

これは私の2019年の旅行の行程ですが、行きはバンコクとコペンハーゲン、帰りはワルシャワとフランクフルトで乗り換えをしています。トランジットは往復で各2回までできますので、この行程では限界までトランジットをしたものです。

こんなにトランジットしたのなんでや?と思うかもしれませんが、これはお盆シーズンでなかなか日本からヨーロッパへの直行便が取れず、ビジネスクラス以上でヨーロッパにいくとなるとこのルートしかなかったというのがあります。最初に書きました通り、トランジットは直行便がない場所だけではなく、空席の隙間をついて迂回していくときにも使っていったりするものです。

意図的なトランジットの設定でプチ観光!

トランジット、乗り継ぎといえば空港で待機するように思います。確かに空港での乗り継ぎ時間が長いのは苦痛ですし、なるべく短いに越したことはないように思えます。

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私も昔はモスクワの空港で5時間トランジットとかでもう何もやることがなくてつらかったです。

ですが、トランジットの際は必ずしも空港の中にいる必要はなく、短時間の入国をすることが可能だったりします。入国書類のない国であれば、パスポートを提示するだけで気軽に経由地で空港の外にでて観光できたりします。

トランジットは乗り換えが目的の制度のため、滞在時間は24時間以内という制限がありますが、これを逆に利用して、プチ観光をすることが可能です。さすがに時間は限られますので、ピンポイントの観光になりますが、「あの名観光地にいきたい」「あの名店にいきたい」といったことが体験できる魅力があります。

注意
ロシアなど、トランジットでも入国時にビザが必要な場合があります。また、カタール(ドーハ)など、現地で購入するビザでトランジット可能な国もあります。
2019トランジット一覧
  • 往路1:バンコク(8時間)⇒マッサージを受けに市内へ!
  • 往路2:コペンハーゲン(4時間)⇒人魚姫を見に市内へ!
  • 復路1:ワルシャワ(2時間)⇒時間が短いのでラウンジ待機!
  • 復路2:フランクフルト(19時間)⇒1泊!

先ほど示した私の例ですと、トランジットの4か所(バンコク、コペンハーゲン、ワルシャワ、フランクフルト)のうち、入国せずに飛行機を待っていたのは乗り継ぎが2時間未満だったワルシャワだけで、残りのバンコク、コペンハーゲン、フランクフルトはいずれも空港の外に出ています。

バンコクは8時間の乗り継ぎ時間の間、一度入国して市内まで鉄道で移動し、朝スパを受け、軽く食事をしてから空港に戻りました。8時間の乗り継ぎがあればこれくらいは可能です。

コペンハーゲンは4時間のトランジットで果敢にも「世界3大がっかり」の人魚像をみにいっています。コペンハーゲンは空港と市内中心部が鉄道で20分で行けるので、こういったことも可能です。

コペンハーゲンでの乗り継ぎで人魚姫を見てきました!空港からの行き方、所要時間も紹介

2019-08-14

フランクフルトはについては日にちをまたいでいますが、時間をみてもらえばわかるとおり、19時にフランクフルト到着後、翌日14時のフライトで名古屋に向かっており、滞在時間は24時間未満となっていますので、これもトランジットとして認められます。あくまで時間でみます。このときももちろん空港から出て、フランクフルトの東横インに滞在しました。

このようにトランジットでは観光も楽しめるですが、楽しむ上でとても大事なことが一つあります。

それは、入国と出国にどれだけの時間がかかるか。入国審査は、タイミングによってかかる時間に大きな差がでます。これを考えなければなりません。

例えば私の例の場合、コペンハーゲンは乗り継ぎ4時間でした。この時は、もし入国が混んでいたらぶらり旅は諦めるつもりでいました。イミグレは入ったら戻れないしなかなか判断は難しいのですが、柔軟な対応が必要にはなります。

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くれぐれも飛行機へのお乗り遅れはご注意ください…

ストップオーバーとは

ストップオーバーとは、出発地から目的地までの間で24時間以上の滞在が可能な乗り継ぎのことです。

先ほど紹介したトランジットは、あくまで飛行機を乗り換えるための滞在であり、24時間以内に次の飛行機に乗らなくてはなりませんが(うまく時間を使えば観光できますが)、こちらのストップオーバーは、24時間以内に次の飛行機に乗らなくてよいので、滞在をすることが可能となります。

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本来の目的地のほか、もう1か所の場所に旅行に行けるというイメージをもっていただければと思います。

たとえばANAのマイルを利用したスターアライアンス特典航空券やJALの提携他社特典航空券の場合、ストップオーバーが1回認められています。

単純な例だと、東京からシンガポールまでマレーシア航空で行く場合、クアラルンプールで乗り継ぐことになりますが、片道だけはクアラルンプールで24時間以上の滞在ができる、という感じです。

行きのクアラルンプールに到着するのは水曜の夕方、クアラルンプールからシンガポールに向かうのは金曜のお昼ということで、24時間以上次のフライトの時間をあけて、目的地であるシンガポールに向かうことができます。

これだとクアラルンプールに2泊、シンガポールに2泊する旅程になります。トランジットだとあわただしいショートトリップになりますが、ストップオーバーはゆっくりと目的地以外の都市での滞在を楽しむことができる、というものです。

補足
この場合、行きでストップオーバーしていますので、帰りのクアラルンプールでは24時間以内のトランジットとなります。

ストップオーバーとトランジットを組み合わせた周遊の一例

これは私が嫁にブチ切れられて実際には使わなかった行程なのですが、この航空券は、クロアチアをじっくりと楽しもうとした際のものです。

東京からバンコク、ウイーンを経由してドブロブニクに行き、ドブロブニクを観光した後首都のザグレブに行き、ザグレブからフランクフルトを経由して東京に戻るという行程です。自画自賛するほどの完璧な行程でしたが、嫁に「これに行ったら家の鍵を変える」と言われたので泣く泣く流した行程です。

この航空券は、航空券上の目的地はクロアチアのドブロブニクになっています。言い換えれば、東京発ドブロブニク行の航空券です。で、4か所(バンコク、ウィーン、ザグレブ、フランクフルト)のうち、クロアチアの首都・ザグレブでストップオーバーをしています。

補足
ザグレブが目的地のようにも見えますが、先ほど触れたとおり、トランジットは往復各2回なので、目的地はドブロブニクになります。

このときは「アドリア海の真珠」と言われるドブロブニクで2泊滞在し、その後ザグレブに移動し、少し離れたプリトヴィツェ湖群国立公園に行こうと計画していました。ザグレブからプリトヴィツェ湖群国立公園までは、トランジットの24時間で行くのは不可能ですが、ストップオーバーを使って滞在してしまえばゆっくりと観光が可能です。

このように、ストップオーバーを使えば、旅行のメインとなる目的地を2か所にすることが可能なんです。これを使うことにより、行程はより柔軟性をもたせることができます。

私の例はあくまで一例で、中級者くらいまではこのようなものになりますが、上級者の方は、私も真似をできないような深い行程を作成されている方もいっぱいいます…。片道ごとに国内線・国際線各2回という最大限のルールを活用して、24時間以内の海外旅行を別途設定したりすることも可能です(地方空港から海外路線が充実していた、コロナの前はやっている人がけっこういたような…)

オープンジョーとは

オープンジョーとは、往路の目的地と復路の出発地が異なることや、往路の出発地と復路の目的地が異なることを言います。

一番単純で簡単な例ですと、行きが東京からロンドン、帰りがフランクフルトから東京、なんていうチケットのことを指します。こうすることによってヨーロッパ内を別の交通手段を使って周遊観光したりすることができるわけです。

ストップオーバーが1回であれば、24時間以上の滞在ができる都市は目的地をいれて2か所ですが、オープンジョーを設定し、別途費用はかかるものの自分で交通手段を手配することにより、さらに旅の自由度をあげることができます。これは特典航空券に限らず、有償の航空券で購入する場合もよくやる手です。

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欧州だとロンドン発の航空券(特にファースト・ビジネスクラス)は、出発に係る税金が高かったりするので避けたりする人もいます…(例:ワタクシ)。

基本的には特典航空券では同エリア(欧州等のくくり)内ではオープンジョーが認められています。格安の往復有償航空券の場合、オープンジョー不可などの運賃があり、この場合は行きと帰りは同じ空港を利用することになります。

別途手配する航空券は、外国の航空会社のマイル(BA、UAなど)を使ってもいいですし、LCCのチケットを購入してもいいですし、鉄道など、飛行機以外の乗り物を利用してもいいと思います。

欧州オープンジョーは鉄道や船も利用しよう

特にヨーロッパは国境をまたぐ高速鉄道が発達しており、値段も事前にネットで予約すればかなり安く便利です。飛行機好きな方がこの記事を読んでらっしゃると思いますが、鉄道旅行もまた楽しいですよ。

例えばロンドン=パリはドーバー海峡トンネルを抜ける「ユーロスター」で2時間半ほどですし、パリ=ブリュッセルなんて、首都同士を赤い国際特急「タリス」を利用すれば1時間ちょっとで到着しちゃいます。東京と名古屋や大阪まで新幹線に乗る感覚で、フランスからイギリスやベルギーまで国境を超えて移動することが可能なんです。

また、私の2019年の夏の行程でみていきますが、往路の目的地であるスウェーデンのストックホルムから復路の出発地であるリトアニアの首都タリンまで「別の交通手段で移動」となっています。ここがオープンジョーと呼ばれる部分です。

このときはストックホルムからヘルシンキまで「タリンクシリヤライン」を使い1泊フェリーで移動し、ヘルシンキで観光とカジノを楽しんだ後に3時間の船旅でタリンに移動しました。

欧州では北欧を中心として船での移動も可能ですし、また物価の高い北欧での船移動は、宿泊費用を節約することも可能です。船内では免税なので買い物もお得だったりします。

また過去には、羽田→パリ/フランクフルト→成田のオープンジョーの航空券を発券し、先ほど紹介したタリスでパリからブリュッセル・ケルンを観光し、その後ドイツの新幹線ICEに乗り換えてフランクフルト空港まで向かったりもしました。

このようにオープンジョーを活用して地上移動を間にいれることで、ストップオーバー以上により旅程の幅が広がります。特に鉄道やLCCの発達しているヨーロッパ旅行では、ぜひ取り入れたいテクニックです。

まとめ

特典航空券を発券する際などに、単純な往復以外のルートを組み際に知っておきたいルール・用語を簡単に紹介しました。

トランジット、ストップオーバー、オープンジョーと3つほどやりましたが、この3つを理解しておくと、国際線の特典航空券の発券が、いろいろとできるようになり、滞在都市を増やすことが可能です。

工夫することによりいろいろなルートが繋がったり、思いもしない航空券を作ることが可能です。最初はなかなか慣れず、実はルールを満たしていなかったりするのですが、めげずにやっていくのが大事だと思います。

ANAなんかはルールから逸脱していてもそこで止めてくれず、最後全部つないだ後にこんな画面がでてきます。ようやく「できた!」と思ってクリックしていって、なんどこの画面に泣かされたか…。

まぁそれはさておき、せっかくとる特典航空券ですので、たくさんの都市によったりするのも醍醐味です。単純往復に限らず、ぜひこのような航空券にもチャレンジしていただければと思います。

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