ANA、JALの燃油サーチャージ、2019年10~11月は値下げ決定!12月以降はどうなる?

更新情報
2019年8月21日:2019年10~11月のサーチャージ金額に更新

海外渡航者の敵ともいえる、燃油サーチャージ。この燃油サーチャージが2017年2月発券分から復活しています。

最近、燃油サーチャージは上昇傾向で2019年8月からはZone Dに上昇していました。ただ、2019年10月以降はZone Cに低下することになりました。

ところで、燃油サーチャージってどうやって決まっているのでしょうか。今回は、燃油サーチャージのルールと算出方法、そして今後の見通しについて解説していきたいと思います。

JALとANAの燃油サーチャージ算出基準と額について

燃油サーチャージは、原油価格の高騰にともない取り入れられた制度です。運賃を払って乗る場合に追加徴収されるのはもちろん、JALやANAの日系キャリアでは、特典航空券で飛行機に乗る際であっても支払う必要があるのが厄介ですね。

その燃油サーチャージの料金はどのように決められているのはご存じでしょうか?

これは、シンガポールケロシンの1バレルあたりの円建て価格(適用額)をベースとして定められます。つまり、計算式は以下のとおりです。

燃油サーチャージ適用基準額の計算方法
シンガポールケロシン1バレル価格(ドル)×ドル円為替(円)

補足
ケロシンとは、ジェット燃料のもととなる石油成分の一つのことです。アジアの石油関係はシンガポール市場で取引されているため、シンガポール市場で取引されているケロシンの価格を価格算定に用いています。バレルとはポンド法の単位であり、1バレル=約159リットルです

ここで求めたサーチャージ適用額を2か月平均で算出し、6,000円以上の場合、日系のJAL及びANAの2社では、下記の表のとおり徴収されることが定められています。

なお、基本的に国際線の航空券は往復で購入することが多いので、ここでの記載価格は往復での価格としました。

適用額6,000円台7,000円台8,000円台9,000円台10,000円台
ゾーンゾーンAゾーンBゾーンCゾーンDゾーンE
韓国・極東ロシア400円600円1,000円2,000円3,000円
中国・台湾・香港1,000円3,000円5,000円7,000円9,000円
グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム2,000円4,000円6,000円8,000円10,000円
タイ・シンガポール・マレーシア3,000円6,000円9,000円13,000円17,000円
インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ4,000円8,000円12,000円17,000円22,000円
北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア7,000円14,000円21,000円28,000円35,000円

ここにはゾーンEまで表しましたが、実はゾーンはIくらいまで用意されています。このランクまでいくと欧米は往復で64,000円です。すさまじい料金ですね。

一方、表をみてもらえればわかるとおり、最も負担の少ないゾーンAの適用額が6,000円台なので、これが6,000円未満の場合はサーチャージ不要です。

issy
実際に、2016年2月から2017年の1月までの間は、これが6,000円未満だったため、燃油サーチャージがかからなかったんですよ。あぁよい時代だった…。

また、適用額が即座にサーチャージの金額にはすぐに連動するわけではなく、サーチャージ額は2か月に1度改定を行うことになっています。サーチャージの算出期間と発券日の関係は以下のとおりです。

発券日適用額発表時期平均値算出対象期間
4月~5月2月中旬~下旬頃12月~1月の2カ月平均値
6月~7月4月中旬~下旬頃2月~3月の2カ月平均値
8月~9月6月中旬~下旬頃4月~5月の2カ月平均値
10月~11月8月中旬~下旬頃6月~7月の2カ月平均値
12月~1月10月中旬~下旬頃8月~9月の2カ月平均値
2月~3月12月中旬~下旬頃10月~11月の2カ月平均値

例えば、8~9月の発券分のサージャージは、4~5月の2か月間の平均のシンガポールケロシン価格とドル円為替レートを用いて算出するのです。

ジェット燃料の相場と燃油サーチャージの推移について

原油価格および航空燃料の価格推移

▲原油価格および航空燃料の価格推移

ケロシンなどのジェット燃料の推移のグラフをIATA(国際航空輸送協会)のサイトから拾ってきました。基本的に、いわゆる原油価格より15ドル程度高いのが特徴です。

2010年ころから続いた原油高は、シェールガス革命などもあり落ち着き始め、2015年の秋頃からジェットオイル価格が60ドルを下回りはじめました。この頃は1ドル120円くらいでしたので、すぐにサーチャージが廃止されることはありませんでした。

補足
以前は燃油サーチャージの算出がドル建てだったため、シンガポールケロシンの1バレルあたり価格が60ドル切ればなくなるはずだったんですが、JALもANAもこの直前に円建てに変更にし、サーチャージ継続となりました。

その後さらにジェットオイルの価格は下がり、円高傾向も相まって、先ほども触れたとおり、2016年4月分から2017年1月分発券分までは、サーチャージがかからない状態が続いていました。

ただ、その後再び燃油価格が上がっており、特に2017年夏以降はベネズエラ情勢やイラン情勢もあり、原油価格は右肩上がりに上昇してきました。

ジェット燃料の価格は原油価格に連動するものですので、原油の減産維持が引き続き続いていること、世界景気の回復に伴い原油の需要が増大していることも、価格上昇に寄与していると思われます。

ただ、その後2018年11月にイラン産原油の禁輸制裁が限定的になると、原油価格は下落を開始しました。これに伴い、2019年4月からは燃油サーチャージが大幅に下がったんですね。ただ、価格調整により現在は再び上昇しているところです。

2016年1月以降の燃油サーチャージの推移がこちらになります。

期間サーチャージのzone
2016年4月~2017年1月なし
2017年2月~2017年3月Zone A
2017年4月~2017年5月Zone B
2017年6月~2017年7月Zone B
2017年8月~2017年9月Zone A
2017年10月~2017年11月Zone A
2017年12月~2018年1月Zone B
2018年2月~2018年3月Zone C
2018年4月~2018年5月Zone C
2018年6月~2017年7月Zone C
2018年8月~2018年9月Zone D
2018年10月~2018年11月Zone D
2018年12月~2019年1月Zone D
2019年2月~2019年3月Zone E
2019年4月~2019年5月Zone B
2019年6月~2019年7月Zone C
2019年8月~2019年9月Zone D
2019年10月~2019年11月Zone C

このように、2017年2月以降は、燃油サーチャージの発生が続いており、増減を繰り返しています。

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次回(2019年10~11月)発券分の燃油サーチャージ改定はゾーンCに低下

2019年8月発券分から、燃油サーチャージはZone Dに上昇しましたが、次はどうなるでしょうか。

次の改定は、8月中旬~下旬ころに、2019年10月~11月に発券する分のサーチャージが決まるということですね。基準額は今年の6月~7月の2ヶ月間平均で決まるということになります。この期間の値段はどうだったのでしょうか。

この時期ですが、基準となるシンガポールケロシンの価格が6月から7月にかけては、おおむね75ドル~80ドルの間で安定しています。(こちらの記事を参考にしています)

米ドル/日本円の為替は、6月から7月にかけて、108円台でもみあっている状況です。

JALが公表したところによると、6月~7月の2か月間のケロシン価格平均はおよそ76.58ドル、ドル円為替はこの間の平均値はおよそ108.14円でした。ということは、76.58×108.14=8,282円と、8,000円台となっています。なので、Zone Cになります。

行先9月まで
金額(往復)
10月から
金額(往復)
韓国・極東ロシア2,000円1,000円
中国・台湾・香港7,000円5,000円
グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム8,000円6,000円
タイ・シンガポール・マレーシア13,000円9,000円
インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ17,000円12,000円
北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア28,000円21,000円

具体的なサーチャージの金額ですが、Zone Cとなった場合は東南アジアで9,000円、ハワイ往復の場合12,000円、欧米往復の場合21,000円となります。

issy
東南アジアでも4千円、アメリカやヨーロッパだと往復で一人7千円も下がるなど、1ランク下がるだけでそれなりに値下げされますね!

2019年12月~2020年1月発券のサーチャージは値下げの可能性

今後の燃油サーチャージの見通しについてよく聞かれます。

そんなん分からねえ

と言いたいところですが、とりあえず現状の足元の相場をチェックして、10月の次の改定である12月改定に向けて分析してみましょう。12月改定は、8~9月のシンガポールケロシン円建て価格で決まりますから、現在の状況をみておくことが大事になります。

燃油価格
2019年8月19日現在のシンガポールケロシン価格は、74.03ドルでした。

米中貿易摩擦などの要因により、5月末に暴落した燃油価格ですが、6月に入ってからはその後徐々に値上がりし、80ドル前後で推移していました。現在は再び値段が下がり、70ドル台となっています。

為替
2019年8月2日現在は、1ドルが106.38円となっています。

こちらも2月以降は110円~112台でもみ合っていましたが、5月末から一気に107円~108円台まで円高のポジションに移してきました。その後、7月末に一気に106円台まで突入してきましたね。

米ドル/ – FXレート・チャート – Yahoo!ファイナンス

ということで、オイルの価格が75ドル/バレル、ドル円相場は106.5円/ドルとすると、現在の基準価格は7,987円となり、このままの価格帯で推移すれば、12月改定は、Zone Bに下がるという計算です。

さすがにこれは楽観的な見方で、米中貿易戦争が落ち着けばもう少し円安、原油高方向にシフトすることが予想されるため、Zone Cのままになることは充分想定はされますが、よっぽどの爆上げでない限りは、Zone Dまでの上昇はないかなとみています。

issy
正直、米中貿易戦争やイラン情勢、北朝鮮情勢でどう転ぶか全くわからないですが、そこまで極端な動きにはなりませんでしたね。

とはいっても為替や原油価格の変動は世界情勢次第な面があるので、これ以上も以下もあり得ることはご留意ください。当方も、随時チェックしていきたいと思います。

まとめ

2019年10月~11月発券分は、JALとANAの日本発航空券でサーチャージはゾーンCに低下することになりました。

6月、8月と2回連続で値上げされたサーチャージが、ようやく値下げされることになりそうなのはありがたいですね。とはいえ、まだ基準がはっきりしている燃油サーチャージなので、対策はしっかりとれそうです。

とりあえず、10月まで待つことができる発券は待つなり、国内線を1区間つけておいて、10月以降に変更するなどの対策をとる必要がありますね。

なお、原油高要因となる中東問題、円高要因となる貿易問題が複雑に絡み合うことから、今後の見通しは非常に立てずらい状況です。現状が基準価格8,000円を下回ってきましたので、ゾーンBになる期待をもちつつ、より戻しがあって12月以降もゾーンCを維持することになる可能性もあります。

世界経済の行方も、陸マイラーは気になるところです。
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7 件のコメント

  • 有益な情報ありがとうございます。
    先日発券済み(サーチャージないとき)の特典航空券の国内線を変更したら追加で課金されてしまったのですが、また変更するときにサーチャージが変更されていたらお返しすることもできますと言われたので、期待して待っています!
    (国内線の第一希望がまだとれていないので・・)

  • 2018年12月~2019年1月はギリギリ据え置きです。[基準額9935円](約3時間前のニュースで)

    • yoshitakaさん
      お返事が遅くなり申し訳ありません。忙しくてJALのプレスに気付かず、今日のANAプレスで気づきました。
      記事、この後修正いたします。ご連絡ありがとうございました。
      しかし2月はやばそうですね。

  • Issy様
    初めて コメントさせていただきます。
    いつも Issy様の こちらの記事を チェックしている者です。

    4月末に 北米⇆日本のチケットを購入しなければいけなかったのですが、issy様のおっしゃっていた4月から燃油が下がる!というのを信じて 4/1まで 購入を待っていたところ、自分と子供の分で計2万円も安く購入することができました(^^)
    いつも楽しみに こちらの記事の更新を待っています。お礼がどうしても言いたくて コメント致しました。ありがとうございました!

    • ひちろさま

      コメントありがとうございます。
      そして、北米のチケットを安く調達できたとのこと、おめでとうございます!
      2万はけっこうおおきいですよねー。

      頑張ってこれらかも更新していきますので、当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

  • 4月1日にサーチャージが3ランク下がったので喜んでたらまもなく基本の航空代金があがってチャラ。ああそうゆう仕組みなのかと納得 世の中うまい話はないですな。

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