全国各地で観光客の回復などを目的に、国内旅行に対して補助する施策が行われています。
観光業が盛んな北海道でも道が補正予算を組んでおり、「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」というもので、北海道の公共交通の需要喚起を行うようです。
これにより、公共交通機関のフリーきっぷなどの企画乗車券が割引になります。JR北海道全線の特急自由席が乗り放題の「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」というのが発売され、なんとJR北海道が6日間12,000円で乗り放題となります。
目次
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスが販売
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスは、JR北海道内の在来線特急列車の普通車自由席及びジェイ・アール北海道バス(一部路線を除く)が6日間乗り降り自由なきっぷです。
JR北海道内の在来線特急がすべて利用可能なので、このきっぷ1枚で、函館、札幌、旭川、網走、稚内、網走、釧路などの道内主要都市に自由に行くことが可能です。
基本的に自由席利用なのですが、6日間で指定席を4回まで利用することができます。北海道をくまなく旅行する人には、この上ない非常におトクなきっぷです。
利用期間
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスの利用期間は、2020年7月23日から2021年1月31日までの連続する6日間になります。
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスは「連続する」6日で利用することが条件なので、3日乗ってまた別の日程で3日利用する、といった利用方法はできません。
ただし、年末年始期間の12月28日~1月6日は利用することができません。
発売期間
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスの発売期間は、2020年7月17日~2021年1月25日となっています。
なお、チケットの購入は使用開始の前日までに済ませる必要がある点に注意が必要です。当日に札幌駅や新千歳空港駅などのみどりの窓口で「今日から6日間!」とお願いすることはできません。
また、今回のHOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスは、北海道の補助金事業である「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」を活用しているため、補助金の上限に達した場合は、発売期間中でも発売を終了します。
新型コロナウイルス感染症の拡大により発売を一時休止することがあります。
料金
今回のHOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスは、北海道内で6日間特急自由席乗り放題で、料金は12,000円となっています。ちなみに子供用料金の設定はないので、小学生以上の子供も同様に12,000円となります。
1日あたりに換算するとなんと2,000円です!普通列車に乗り放題の青春18きっぷの1日単価が約2,400円ですから、それよりも安いという、もうなんというか破格のバーゲンセールですよ。
ちなみに、ふだんJR北海道で販売しているフリーきっぷに「北海道フリーきっぷ」というのがあって、これは7日間特急自由席乗り放題で料金が27,430円ですから、利用期間が1日短いといえ、これの半額以下の料金設定となっています。
これはお得すぎます。北海道周遊旅行をしたいと思っていた人は、この機会に北海道いかないとだめでしょう!!
購入方法
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスは、利用前日までに、JR北海道の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、旅行センターで購入することが可能です。
東京や大阪など、JR北海道以外のエリアでは購入することができません。そして前日までに購入しなければいけないので、北海道に到着した初日に利用することができないのは、注意が必要です。
ちなみに窓口に並ばなくても、札幌駅や新千歳空港駅などの主要駅に設置されている指定席券売機を使えば、HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスを購入することが可能です。
指定席券売機の最初の画面で「QRコードの読取」を選択し、このQRコードをにかざすだけで、面倒な操作なしに簡単にHOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスを購入することができます。
また、4区間まで指定席を利用することが可能ですが、座席指定券も「指定席」→「回数券・オトクなきっぷに座席指定」を選択することによって発券可能です。
JR北海道の自動券売機は、JR東日本と同じインターフェイスを採用しているため、基本的な操作感も同じになっています
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスはどのくらいオトクなのか
このHOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスですが、お盆や年末は利用できませんが、それ以外の時期には自由に利用できるフリーきっぷで、他のJR各社のフリー切符に比べて、圧倒的に使いやすくなっています。
唯一といえるデメリットは、北海道到着日に購入できないことです。これを回避する一つの方法として、たとえば周遊開始の前日夜に新千歳空港に到着する便で到着し、駅できっぷを購入後、千歳や札幌のホテル等に宿泊する方法がよさそうですね。
6日間12,000円で乗り放題と聞いただけで、どう考えてもお得なのはわかると思いますが(笑)、念のため解説しておくと、札幌から網走や稚内まで、普通に切符を購入すれば片道料金が約1万円なので、これらとの往復だけで元が取れてしまいます(厳密には、往復の割引きっぷありますが、それを使っても往復で12,000を切るものはありません。)
北海道を周遊すれば破壊力は抜群
フリー切符の期間が6日間もあるので、たとえば、千歳→(おおぞら)→釧路→(釧網本線)→網走→(オホーツク)→札幌→(スーパー北斗)→函館と、逆「の」の字でぐるっとまわるような周遊旅行を考えれば、これはもうめちゃくちゃオトクということになります。
北海道周遊というのは私もまだ大学生のころ、2004年の3月に一度やっています。このときは流氷をみにいったのですが、まぁ吹雪がひどくて大変でした(笑)
それ以来、北海道にきても単発で札幌や函館を訪れるだけで、それ以外の土地にいっていなかったんですよ。そこで、今回この切符を使って旅行をしてみました。
2020年7月に実際に使ってみた
私も実際にこの「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を利用して、2020年7月に北海道旅行をしてきました。
周遊旅行も最初は考えたのですが、このときは「サッポロ夏割」という、札幌市内のホテルが実質8,000円引きとちょっと考えられないくらい格安になるキャンペーンを実施していたため、周遊よりも札幌に宿泊した方がオトクということから、札幌を中心に、道内各地に日帰り旅行を楽しむというスタイルで旅行しました。
夕方に北海道に入り、HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パスを購入して準備したのち、翌日朝からは富良野に日帰り旅行をしました。富良野は札幌から2時間ほどで行くことができるため、日帰りでも全然苦にならない距離です。この日は札幌から「フラノラベンダーエクスプレス」という富良野直行の特急があったため、乗り換えなしで富良野にいくことができました。
富良野にいった翌日は、日本最北の地である稚内の宗谷岬にも日帰りで行ってきました。札幌から稚内への日帰り旅行も可能です。
稚内までは札幌から300キロ以上あるため、35%割引されるえきねっときっぷを使っても札幌と稚内の間は片道で7,360円かかりますので、稚内往復だけでも、十分にきっぷの元がとれます(私は帰りは飛行機を使ってしまいましたが、富良野をあわせて元はとれました)
実際、私が利用した際はこんな感じでした。
区間 | 列車 | 料金 |
---|---|---|
札幌→富良野 | 特急フラノラベンダーエクスプレス(指定席) | 7,110円(ふらの・びえいフリーきっぷ) |
富良野→札幌 | 特急フラノラベンダーエクスプレス(自由席) | |
札幌→稚内 | 特急宗谷(指定席) | 7,360円(えきねっと) |
新千歳空港→札幌 | 快速エアポート(指定席) | 1,680円(uシート込み) |
札幌→新千歳空港 | 快速エアポート(指定席) | 1,680円(uシート込み) |
合計 | 17,830円 |
指定席4回も利用し、富良野往復と稚内片道、そして新千歳往復で17,830円かかっていますから、これだけで5,000円以上オトクになっています。まぁ快速エアポートで指定席(Uシート)を使っちゃったりはしていますが。
ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン
今回、JR北海道がこのような格安切符を発売することができるのは、北海道の「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」というのがあるからです。
「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」は、「新北海道スタイル」の構築に協力する交通事業者(鉄道、バス、タクシー、フェリー、航空)が発行する乗り放題乗車券やクーポン券等について、利用者が購入する際の費用の一部を道が負担し、相当額等を補助というものです。
この制度を活用すると、北海道内で公共交通機関を利用する際の乗り放題乗車券やクーポンが割引になり、道内の移動がオトクになるということです。
また、今回の割引制度は、特段利用者の方で手続きが不要な仕組みになっています。クーポンの提示なども不要で、JR北海道などの交通機関側が、あらかじめ割引した価格で販売してくれるスキームになっています。
事業の実施期間は令和2年7月~令和3年1月となっています。ただし、予算が限られるので、予算が尽きたら終了ということになりそうですね。なので、
まとめ
北海道の交通機関を支援する「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」が始まります。これを利用して、JR北海道が、6日間特急乗り放題の「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を破格の12,000円で販売することになりました。
観光振興のために、JR九州が2日間1万円とか、JR四国が3日間8,000円の乗り放題切符をだしていますが、JR北海道の6日間12,000円はもう破格すぎてしょうがないレベルです。感染症には注意しつつ、興味ある人は速攻いくべきでしょう。
北海道は広いので、いざドライブで回ろうとすると運転時間が長時間になりがち。鉄道で回れるエリアは限られますが、それでも1週間かけて、のんびりと北海道を周遊する旅行なんかもいいのではないかなと思います。
実際私も利用しましたが、北海道にさえいけば簡単に購入できて、非常にお得だなぁと感じました。「元を取る」ことを気にしなくていいので、気ままな旅にも使えると思います。
北海道周遊旅行を考えている人は、ぜひチェックをしてもらえればと思います。